年齢を尊重して
久しぶりになると読み物記事を書き書きと…そんな、Bande主宰です。
障害があっても、子どもの年齢を尊重する
我が子はかなり能力に偏りのある子です。一般社会で生き抜くには難しいといえる子ではあると思います。言葉の選択など、主にコミュニケーションにおいて年齢相応よりは能力が劣っており、幼稚に映ることも多い子であるでしょう。
しかし、そんな我が子に対して、私が絶対に忘れないでおこうと思っていることがあります。それは「子どもの年齢を尊重する」ということです。年齢不相応な子ども扱いをしないということです。
当たり前だと思いますか?いえいえ、これが「障害のある子ども」となると、なかなか周囲はそうさせてはくれないのです。
・助けてあげようの気持ちが先走りして「○○ちゃんのためにも…」と、本人の選択も決定も取り上げて周囲が決めてしまう
・本人にわかる形で直接伝えて選んでもらうべきことなのに、本人と直接対峙せずに、「お母さん、○○についてどうしましょう?」といった親に向かっての問いが横行する
・年齢不相応すぎるものを選んでいても、それが「(障害者自身の)年齢にはふさわしくないことやその理由」すら伝えないという大人が身近にいる、特に幼稚なものにおいて(中学生の年齢になってもアン○ンマンのハンカチを選択肢に入れていることに疑問を持たない、など。)
これらは、障害を持つ子どもの周囲で起こる、珍しくない光景です。おしなべて、その人の年齢を尊重していない、ひいては、障害者本人の人権を軽く見ているからというところが原因です。
実際には、健常のお子さんであっても、先の障害のある子どものように、親や周囲が子どもの人生の様々な決定を子どもから取り上げてしまっていることは珍しくないのです。 確かに、子どもは様々なことを知りません。未熟であり、大人が危険から守ってあげなければいけない存在ではあります。
しかし、子育てのあらゆる段階において、当たり前ですが、親と子どもは別の人間であり、別の人生を歩みます。一つ屋根の下に暮らしても、親が子の人生を代わりに生きてあげる、そのようなことは絶対に出来ません。つまり自らが自分の人生の主人公であるという意識を持っていないと、生きてはいけないのです。 「自らが自分の人生の主人公であるという意識を持つことができるように育てる」ということは、子育てにおいてとても大切なテーマなのです。自律ができていること、自己決定ができること、自身の意志を伝えられることと、意志を他者と共有できること、これらの力を育まねばなりません。
どうぞ子どもの年齢を尊重して、子どもの決定を尊重して、ひいては子ども自身の人権を常に考え、育ててあげてください。たとえば幼稚なものには良い悪い等の決定を代わりに出すのではなく、「幼稚とはどういうことなのか」を伝えてあげて、考えてもらう、その上でのよりよい自己決定をしていく…といった風に。
細やかなコミュニケーションをとりながら、適切に親離れ・子離れしていきたいものですね。
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