「今、すること」の判断力をつけるには

子どもを見ていて、大人がイライラするとき

子どもたちと接するときのうち、思わずイライラとしてしまうことはなんでしょう。

・先に伝えたはずのことを理解していない

・後でやればいいことを今やらなければならないと勘違いしている

…など、様々なことがあるでしょう。


親御さんがイライラとするときの多くの共通点として、「今、すること(今、するべきこと)を判断できない」という様子がお子さんにある、というケースは非常に多いようです。子どもが小さいうちは暖かく見守ってきたつもりだけれど、小学生にもなってどうして判断できないのだろう、なぜこうなったのだろう…と嘆かれたことがある方もいらっしゃるかもしれませんね。


「今、すること」の判断力のもとは

私の子どもは自閉症スペクトラムで、特徴のひとつとして、他者から何かを学ぶには目に見える形が必要です。知的にも決して恵まれているとは言えないため、様々なことを学ぶのに、音声言語でしか伝えられないケースでは非常に苦労する子です。しかし、様々な行動に対しての判断力が全くない、ということはありません。


それはなぜかというと、診断を受けた時から支援手法を視覚的にし、前もって様々な情報を視覚的に伝え(与え)て支援することを続けてきたからです。幼児であったわが子に、その日になって「今日は◎◎をするよ~」といった伝え方によって引っ張りまわすといった、”落ち着かない毎日”を過ごさせない・常態化させないということを徹底してきました。


前もって情報を与えて視覚的に支援すると、子ども自身がこれから起こることやするべきことをわかって前もって準備ができるので、安心・安定して過ごせます。親目線でいえば子どもを叱ることが劇的に減っていきます。


つまり、判断力をつける・磨くというのは、

1.情報の与えられ方 

2.情報を使った(情報をもとに判断する)経験を積むこと 

この二点が重要なのです。


これは知的な能力とは関係がありません。手帳を交付されるほどの知的障害があっても自身の生活に対して判断力を持ちそれなりの生活をできている大人もいれば、障害手帳を持てない程度の知能に恵まれていても自身の生活を適切に判断できない大人もいます。その違いは、適切な手法を用いて育てられたか否か、手法に基づいた適切な経験を積めたか否か、ということなのです。


大人が伝え方を視覚化しよう

適切な判断力を身につけられていない子の多くは、「判断するための情報をどう取り入れるか、そして取り入れた情報をどう使うか、といった、判断に必要な手法がわからない」状況です。それにも関わらず、それらの手法が教師や親など人生の先輩たちから伝えられるときの多くは「小言」など、有効とは言い難い情報の与えられかたをされていることが非常に多いのです。言っては消える小言、これでは、たとえ内容的に大切な情報が伝えられていたとしても、子どもに残ることはありません。


判断に必要な情報(事柄)は、子どもにわかるように伝える工夫がまず必要ということです。目に見える形や手法を用いて、しかもそれらはその子ども自身がわかる・実現できるかたちで日ごろから接していくようにしましょう。


ただ、それを実践するにはどうしたらいいのか、というところを伝えているところは本当に少ないです。その中でも、極めて優れた、非常に役に立った考えや実践のノウハウを持つ『株式会社 おめめどう』を実践手法としてご紹介します。私の子どもの支援にも使っています。


おめめどう

http://www.eonet.ne.jp/~omemedo/

おめめどうショップ

https://omemedo.ocnk.net/


身体障害のある方には車いすや義手義足といった、様々な支援手法をすぐに用意するのに、知的障害や発達障害には、「(その人の視点に立った考えを構築せずの状況で)がんばってなんとか…」あるいは「他人の声掛けで動けばまあそれでいいじゃないか…」といった、その人が自身で自分の人生を生きる手法を構築しようともしない、そんな傾向があります。

人権的に支えていない、具体的手法として視覚化が常に欠如している…これらは『人を助けるとはそも何なのか、支援するとはいったい何なのか』そういった視点が欠けている・するほうの独りよがりである、極めて危険な状態です。障害の有無とは関係なくすべての人に対して、こういったことがないように接していく、考え方や具体的手法のノウハウがおめめどうさんにはあります。

障害がなくとも子育てのノウハウの一つとして、もちろん障害支援の具体的手法としても、近しくしていただくと、きっと互いに幸せな関係性を築くことができますし、子ども自身の判断力も非常によくついてきます。お勧めします。

Bandeボードゲーム会

ドイツゲームと知育玩具で楽しむ会です。小学生とその親による「親子参加」が中心です。 愛知県大府市で活動中。知立ボードゲーム会と共同運営しています。