連携会・知立ボードゲーム会へ行ってきました(知育玩具編)

連携会・知立ボードゲーム会のスタッフとして行ってきた9月1日の会の、知育玩具編です。…と言いながらごめんなさい。今回は「積木」について感じることが大きかったので、そちらに絞って書かせていただきます。

全容は、知立ボードゲーム会の報告をご覧ください。→第7回開催報告 知育玩具編


さて、今回の知立ボードゲーム会の知育玩具ハイライトは、なんと、「積木タワー」です!「え?積木なんて赤ちゃんや幼児の遊びじゃない??」とお思いでしょうか。実はそうではないのです、というところを感じていただけたらと思います。


この日、積木を目にされた親子連れに、知立ボードゲーム会主宰が「この積木は天井まで積めるのですよ」とお話ししたところ、怪訝そうなお顔。

そんなに高く積めるの?そんなわけないじゃん…。

え、小学生に積木なの?

いろいろな思いがおありだったのかもしれません。これらの思いを持たれた怪訝そうな反応は決して珍しいことではなく、むしろ我々スタッフにとっては「あるある」です。積木は赤ちゃんのおもちゃじゃないの?と思っていらっしゃる方が、現実に非常に多いのです。では本当にそうなのか?


まずは小学生のお子さんのほうが、積み始められました。



8つ目以降ぐらいから、見守っておられたお父様のお顔が変わりました。驚かれるのも無理はありません。一般的な積木では「積めるわけない」高さが7~8個というところくらいなのですが、この「ネフスピール」という積木では5cm四方が16個目、この高さになっても積めるのです。

お子さんのほうもこの高さには心躍ります。表情をお見せ出来ないのが大変残念なのですが、とても目が輝き、心から楽しんでいるのが伝わる表情です!


次には、同じくネフ社のリグノを積み始めました。こちらも同じく5cm四方の大きさです。


「落ちるんじゃない?」「まだ積める!」そんなやり取りをされながら、タワーはどんどん高くなっていきます。さすがにお子さんの身長を超え、積みづらくなってきて困っている様子…。

すると、お父様が積木に参戦されました!!お子さんが無心に遊ばれる様子を見て、また、崩れないこの積木をみて、子どもの思いをかなえたいという思いも強くなられたかもしれませんね。

お父様も少年のような表情で、生き生きとされていました。お子さんもとても嬉しそうに、お父さんが一緒に遊んでくれている、積み木を積んでいる様子を見ています。

リグノ16個もすべて積まれ、次にはジーナ社のベビーキューブを乗せていかれます。そしてベビーキューブを3個乗せたところでお父様の身長でも積みづらい高さになり、タワーはこれで完成ということに。

とても高いタワーの完成!!

5cm四方が32個と、かなりの高さです。写真すぐ上には部屋の天井が見えていますので、高さを実感いただけるのではないでしょうか。


お父様もお子様もともに遊びを共有し、無心に楽しまれている様子がとても印象的でした。お父様の方は最初はお子さんの遊びに付き合う、そんなお気持ちだったかもしれませんが、お子様が真剣に向き合うことができるものに出会えている、その素晴らしさを共有されたかのように、積木を積み上げるとともに、少年のように表情が変わっていかれました。


ボードゲームをされていた方々も手を止めて、見守っていてくださいました。出来上がった時にスタッフが完成したことについて声をかけましたら、どこからともなく拍手が沸き起こりました!


さて、これらネフ社他の積木は、非常に精密であり道具として優れています。道具として優れている程度がそんじょそこらの積木とはわけが違うことは、写真の作品を見てもお分かりいただけることと思います。


ただ、それだけではこのタワーは完成しなかったのです。お子さん自身もそれを使いこなせる力があるということです。具体的には、釣り合いを知っている、高く積むには重心を左右に触れないようにすることを知っている(積み方の工夫、振動をなるべく加えないなど)など、そういった力が無ければできないものなのです。また、今回、タワーが高くなったところでお父様が一緒になって作ってくださった、そういう親子で共有する思いや絆、これもまたタワーの完成の要素なのです。


さて、デジタルゲームやインターネットゲームで遊ぶ子どもが昨今は多いです。その一方でそんな子どもたちを見て、なんとなくそれではダメなんじゃないかと思っておられる親御さんは、非常に多いと思います。子どもの遊びとしてそれら電子ゲームがふさわしくない理由はいくつかありますが、そのうちの一つ二つと、ぼんやりとでも、私たちの活動の記事から感じていただけたら幸いです。


ネフ社の積木シリーズ他、当会にも知立ボードゲーム会にも、優れた積木のご用意があります。

知立ボードゲーム会には、ネフ社のシリーズだけでも、

・5cm立方体をリボン状にカットしたような独特の形のネフスピール

・同じく5cm立方体の真ん中を円柱形にくりぬいた形状のリグノ

・10cm四方の立方体を一定間隔でスライスしたような形状のセラ

・同じく10cm四方の立方体を2.5cm基準でL字型を組み合わせたような形状にくりぬくように作られたキュービックス

・2.5cm角の立方体を基準とした8個のL字型パーツ(立方体3個分、5個分、7個分と奇数倍に増えていく)と4個の変形ジョイントから成るアングーラ

の、なんと5種類もの積木があります。


先のタワーは高く積もうという遊びでしたが、見立てて作る、幾何学的に美的に作りこむなど、積木遊びは様々な遊び方があります。それらは高い構成力を必要とし、大人がやっても面白いと思えるほど奥深い遊びなのです。

今回のお子さんたちの作品から、他の積木による作品をいくつかご紹介します。


こちらは、ネフ社のセラを使った作品。大きいパーツから小さなパーツへと単に積むのではなく、中間地点に高さと奥行きが出るような積み方になっているのがお分かりいただけますでしょうか?立体的な美的センスを感じさせる作品です。


こちらは、ネフ社のキュービックスを使った作品。面の方向を様々な角度に変えて積んであり、さらに、キュービックス独特の形状を生かした、躍動感を感じる作品になっています。

先のタワーでも使われていたネフスピールを、様々な面を使って(異なる積み方を使って)積んだ作品。折り重なる山のような作品になっています。一見簡単そうですが、崩れないように作るには絶妙なバランス感覚と、積木の重心を理解している必要があります。


芸術的なお片付けの一枚。


単にこれが入るからこれに入れる、ということではなく、片づけられた形さえも作品の一つになるという気付きから生まれたものですね。インスパイアされたものがあったのだと思います。


こういったことを見せてくださる皆様とともに、それらを共に共有でき見届けられる私たちスタッフは幸せだといつも感じます。


精度の高いよい積木での遊びは、子どもにとって、様々な面からの知的発達を促す、また様々な事柄を遊びながら体験的に知っていくことができる、欠かせない遊びです。また、大人でも夢中になってしまうほどの魅力にもあふれています。詳しくは他のエントリーに記事がありますので、そちらも合わせてお読みいただけるとよいかと思います。

Bande主宰が考える積木についてはこちらをご覧ください。

当会で遊べる知育玩具の紹介

知育玩具とは?

知立ボードゲーム会主宰の積木に関する記事はこちら。

積み木のちから~学童期からの積み木惚れ~


最後に、子どもと大人の遊びの違いについて触れておきたいと思います。子どもの遊びと大人の遊びは決定的な違いがありますが、お考えになられたことはありますか?


子どもにとっての遊びとは、自ら成長や発達をするためのもので、知的・精神的な成長を目的とするものです。いわば生存のために欠かせないもので、大人にとっての仕事のような最重要と言える活動の一つです。一方、大人にとっての遊びとは、仕事などの合間や休暇の日などに行う、いわゆる「娯楽」です。最重要活動ではないことが多いです。

よって、子どもに与える遊びには楽しさは必要ですが、その楽しさは「刺激によって楽しい」=「娯楽」であってはならない、というところが大人の遊びとは違うのです。つまり、子どもの遊びは、自ら成長し発達できるもの、遊びとして自らの力で広げられるものでないといけないのです。 またそれらに使う道具である玩具や遊びの選択を、「どうせ使わなくなるもの」「一時のもの」として行うのは適切ではありません。

大人でも仕事で使う重要な道具などは、「安い」という観点のみで選ぶことはあり得ないことと思います。安いだけで目的の仕事をこなせるだけのクオリティを備えていないものでは、話にならない(目的の仕事を果たせない)からです。むしろ、経済性は二の次にして熟慮を重ね厳選する…ということすらもあるのではないでしょうか。また、何をするべきかという活動自体の選択にも熟考されることがあるかと思います。

先に話したように、子どもにとって遊びというのは最重要活動の一つですので、その道具である「玩具」も遊びの選択も、大人の重要な仕事のように熟慮して、優れたものを選んでいただきたいと思います。そのきっかけとなれるような、優れた玩具と優れた遊びを、提供できる会であり続けたいと私たちは思います。


Bandeボードゲーム会

ドイツゲームと知育玩具で楽しむ会です。小学生とその親による「親子参加」が中心です。 愛知県大府市で活動中。知立ボードゲーム会と共同運営しています。